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私の心が聞こえる?

私の心が聞こえる?_f0147413_23331818.jpg出演:キム・ジェウォン、ファン・ジョンウム、ナムグン・ミン、チョン・ボソク、イ・ギュハン、コ・ジュニ

2011年、MBC、全30話。
物語は、聴覚障害を持つ青年ドンジュと知的障害者の継父と暮らす女性ウリを主人公に、2人が愛によって心の傷や家族との確執など様々な障壁を乗り越え、周囲の人々の心をも変えていく姿を丁寧に描き出していく。
“障害”という難しい素材を扱いながらも、押しつけがましさや特異性を感じさせることなく、ピュアなロマンスに昇華させている点でも心地よい。これには、『ラスト・スキャンダル』のムン・ヒジョンによる秀逸な脚本と、『ファンタスティック・カップル』で知られるキム・サンホ監督の丁寧な演出という最強の布陣の力も大きい。特に、ムン作家が物語に散りばめた「心の声」たちは、心に刻んでおきたくなるような名セリフが満載である。
“元祖キラースマイル”として日本でも根強い人気を持つキム・ジェウォンの約5年ぶりとなる除隊復帰作としても話題を呼んだ本作。「心温まるヒューマンドラマがやりたかった」と語るジェウォンが選んだのは、聴覚障害者という難役。重いテーマのためか、これまでに障害者を主人公にした韓国ドラマは皆無に等しかったが、ジェウォンのもつ爽やかな明るさ、優しい雰囲気がキャラクターを輝かせ、“障害もの”という偏見なく物語にスッと入りこませてくれる。
そんな彼とピュアな愛の物語を演じるヒロインには、『ジャイアント』や『明日に向かってハイキック!』の好演で注目された新鋭女優、ファン・ジョンウム。初のヒロイン役に抜擢されたジョンウムは、亡き母が聴覚障害者、継父が知的障害者という特殊な境遇で育ちながらも明るく生きる女性を生き生きと演じ、物語全体の太陽のような存在となっている。さらに、陰の主人公にしてヒロインの義兄に扮した演技派ナムグン・ミンの好演も光る。知的障害を持つ父を疎み、家族を捨てた過去を隠して生きる青年の苦悩と寂しさを、抑えめの繊細な演技で表現し、多くの視聴者の涙を誘った。特に、彼の出生の秘密が明らかになる物語後半の、激しい怒りと深い悲しみを湛えた眼差しの演技には、心揺さぶられること必至だ。
そして圧巻は、知的障害者の父親ヨンギュを演じたチョン・ボソクの名演だ。主人公の敵役で強烈な印象を残した『ジャイアント』とは一転、子供のようにピュアでありながら、一心に家族を思う温かな父親の姿を見事に演じ、物語の“良心”としてドラマ全体を底辺で支えている。



<感想>

とにかく、観てください。この一言で全てを語りたいくらい、本当に素晴らしくて感動的なドラマでした。
ここまでハマッたのは、けっこう久しぶりのような気がしますよ。(笑)
ただ、私のようにすごくハマった人は、絶対にナムグン・ミンさん演じるマルに感情移入して観ていた人だと思います。そうではない人にとっては、面白いドラマでしたね、という冷静な感想になっているかも。でも逆に、マルに思い入れが出来ると、このドラマは最高に素晴らしく感じられると確信出来ます。
途中で何度か語った感想(ネタばれあり)は、カテゴリ「私の心が聞こえる」でご覧ください。最終回近くの感想なんか、もう超盛り上がって書いてます。(笑)
このドラマ、「あなた、笑って」の脚本家さんなんですね。でも演出も同じくらい素晴らしかったと思うんです。それはもう、ひとえにラストシーンなんですけどね。あれをラストに持ってきたとこに、このドラマの凄さがある、なんて思ってしまうくらい。ラストシーンで泣けたのは「大王世宗」を観て以来のような気がします。
ドラマの題材というかモチーフなんかは、けっこう韓ドラらしい、親子関係の因縁だったり、金持ちと貧乏だったり、そこに障害者が入ってきたりと、なかなかへヴィなのですが、演じ方がすごく爽やかなので、ドロドロになりがちなドラマが、観終わってもまったくそういう印象にならないんですね。そのへんも凄いと思います。
伏線に対しての答えが必ずあるし、出演者のわき役の人たちまでもが、ものすごく魅力的に描かれていて、そのへんも大好きな要素でした。特にチョン・ボソクさん演じるポンギュは素晴らしいの一言でしょう。
そして・・・・マル・・・・。このドラマはマルの物語だったんじゃ、と思える裏主役だと思います。
もちろん耳が聞こえない難しい役のキム・ジェウォンさん、そしてそういう人たちを明るく温かく見守る、ファン・ジョンウムさん演じるウリ。ハルモニ役は大ベテランのお馴染みユン・ヨジョンさん。全部が素晴らしかった。

タイトルの「私の心が聞こえる」というのは、必ずしもここに登場する耳が不自由な人の心の声が聞こえる、というだけじゃないんですね。苦しくて辛くて、それでも生きていかなければならない、本当の気持ちを伝えられない人たちの、その心の声を、視聴者である私たちは聴くことが出来るし、チョン・ボソクさん演じる知的障害者の父ポンギュは、それをもっとも上手に聞こえる、聴きとることができる役でした。素晴らしい。
まだ観ていない方で興味のある方には、ぜひぜひ観ていただきたい秀作ドラマです。

満足度(☆6つが満点) ☆☆☆☆☆☆
by himeka_kisaragi | 2014-08-18 23:58 | わ行

「宮」以降に見たドラマの感想のみで、それ以前に見たドラマについては、今のところ書いてありません。記事にないドラマについてコメントをくださる場合はカテゴリー「新フリーコメント」の記事にお願いします。※「フリーコメント」はコメントが増えすぎたので変えました


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